理由もなく涙が止まらなくなったり、身体がこわばったり、震えたり。そんな瞬間ありませんか?
前回、その怒り、正体は「解釈」かもしれませんという記事で、8月15日に起きた出来事について書きました。その夜、母からのLINEを読み終えたあと、わたしの目から、ぼたぼたと涙がこぼれました。理由が明確なわけではなく、ただ、心が泣いている。そんな感覚でした。
「あ、これは今の自分じゃなくて、昔の自分が泣いているんだ」
そう思った瞬間、「これは次のステージにいくための大事な局面だな」と、冷静になれたのです。
子どものときと同じだ!
以前、「わたしは、ゴミのような人間だ」そう思っていた頃の話という記事でも少しお話ししましたが、私は小さい頃から相手の顔色やご機嫌をうかがう子でした。裏を返せば、家庭環境のおかげで「相手のわずかな表情や声のトーンから、感情を瞬時に読み取る力」を磨いてきたわけです。
そして先日、実家に帰っていたとき、今でも無意識にそれをやっている自分に気づきました。両親の機嫌がぴりっと変わった瞬間、明るいトーンで関係のない話をはさんで、場の空気をさりげなく変える。二人の間をつなぐ伝言役も、また引き受けていました。
「今でも、小さい頃とおなじことをしてる!」
そう気づいた瞬間、思わずふっと苦笑い。「そうそう、これこれ!」とどこか面白がっている自分がいました。
最近、講話やスピーチで幼少期の話をする機会が多かったこともあり、過去の記憶と、今のわたしが、カチッとつながった感覚でした。
意味のない出来事は一つもない
人生には、必要なタイミングで必要なことしか起こりません。すべてに何かの意味が込められています。
先日、母からの辛辣な言葉を受け取ったとき、心をえぐられるような感覚があって、頭がどんどん重たくなりました。涙がとめどなくボタボタとこぼれました。身体の内側からあふれてくるように。
あぁ、これはきっと、身体が過去の記憶を思い出しているんだな。と思いました。
今回の出来事は、「まだ向き合いきれていない過去と向き合うときですよ」。そんなメッセージだと受け止めました。
以前、伝えるプロなのに、あの頃の「怖さ」が抜けなかったという記事で、人の顔色をうかがって本音を伝えられない私の話をしました。その課題と戦い続けてきましたが、決別するときが近づいている。そんな気がしたんです。
あなたにも、辛かった過去の経験があるはず。「大したことない」と蓋をしていても、ちゃんと残っているものです。そしてその蓋をしたはずの傷が、大人になってからのあらゆる場面での『ブロック』になっていたりする。
あなたが歩んできた唯一無二の物語。その全てが現在、そして未来につながっています。
その過去に本気で向き合えた時、本来の自分らしさや使命が解き放たれ、人生のステージが大きく飛躍するのです。
伝えられなかった自分との決別
顔色をうかがいすぎて、自分の気持ちを飲み込んでしまう、伝えられない苦しさを、わたしは知っています。
そして、「自分らしく伝えること」の難しさも、喜びも、人一倍知っています。
だからこそ、自分の感情を後回しにして頑張る人たちの力になりたい。伝わる喜び、自分らしく表現することの楽しさを、たくさんの人たちへ届けたい。
これは、企業の中でも同じです。上司や周りの機嫌をうかがって、本音を飲み込んでしまう人は多いはず。人一倍まわりを見て、まわりを気づかう人ほど、そんな側面があります。その感度や想い、強みを発揮できる「安心安全な空間」をつくれるかどうかが、一人一人が主体的で人が定着する組織づくりの要だと私は思います。
これからも声を選び続ける
厳しい出来事の裏側で、実はもう一つ、小さな変化が生まれ始めています。今回の母との出来事を機に、15年くらい途絶えていた家族同士の関係にも、歩み寄りの兆しが見えてきました。この話は、またあらためてお伝えしますね。
つらい経験にも、ちゃんと意味があります。むしろ、そこから育った力があるからこそ、今の自分があります。
そして、苦難はチャンス。トラウマと向き合えた日は、悲しい日じゃなくて、次のステージが開く合図の日です。
私も、この後どんなステージが待っているのか、わくわくしています。
新しいわたしが走り出します。こんな私だからこそ出せる、あたたかい言葉を、これからもっと届けていきたいです。
声のcampus代表。想いを届ける司会・ナレーション、対話で人と組織をつなぐ企業研修・ファシリテーションを軸に、ラジオパーソナリティ、大学非常勤講師、経営者インタビューメディア「コントリ」インタビュアーとしても活動中。ビジョンは「声の力で、誰もが自分らしくいきいき輝いて働く社会の実現」。人が定着する組織に必要なのは「理念の浸透」と「相互理解」。そのために必要なのが、聴く・認める・伝えるという”対話の文化”。一人ひとりが主体的に力を発揮し、互いに認め合い助け合える、強く持続的な組織をつくる。すべては、声から始まる。